気まぐれ猫くんの手懐け方
今は違う。
やっとわかった。
陽愛はおもちゃじゃないし、所有物でもない。
誰にも取られたくない。
「陽愛」
ね、ちゃんと聞いて。
「俺、陽愛がおもちゃでも所有物でもないってやっと気づいた」
「ねえ!?馬鹿にしてるよね!?猫くん!!?」
「いいから聞いて」
俺の腕から少し離れて顔を見ようとしてきた陽愛の頭をぎゅっとおさえ
また、強く抱きしめた。
ちゃんと聞こえるように、耳元に自分の口を近づけて。
「最初はおもちゃを横取りされる気分だった」
「……」
「陽愛の言う通り、あんたの反応見て純粋に楽しんでた」
「………」