気まぐれ猫くんの手懐け方

「俺、これからは惜しみなく甘えるけど、いい?」

「秘密だよ~……って、え?」


勝手に、また同じ質問が飛んできたと思って、また同じように返事をしたら。


「あ、あ、あめる…!?」


しまった。

動揺しすぎて「ま」と「え」を一緒に発音してしまった。


そんな私を見た猫くんは、やっとこっち見たねって言って

口角を少し上げて、いつもの意地悪い笑顔を浮かべた。


「知ってる? オス猫って、甘えん坊で、かまってちゃんなんだよ?」

「……っ!?」


な、な、なにそのいたずらっこみたいな笑顔は…!!!


何で急にこんなにかわいいの!?

いつも素っ気なくて意地悪で意地悪なのに。


……私の『好きな人』っていうワードに食いつきすぎだし…。


なんかもう、どうしていいかわかんないよ。



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