気まぐれ猫くんの手懐け方
「何笑ってんの、チャン陽愛」
「え、」
やば、私、笑ってた?
自然とにやけちゃってたみたい…もう、私のバカ。
「ん、んーん、なんでも!」
すると猫君は、また不機嫌そうな表情に戻る。
両方のほっぺたに軽く空気を含んでいてかわいい。
「…てよ」
「え?」
猫君の声が小さくて、うまく聞き取れない・
「…『好きな人』のことじゃなくて、『俺のこと』考えてよ」
ずっきゅうううううん
すねたような表情の猫君から放たれた言葉に
私の心臓は見事に貫かれた。
か、か、かわいい、無理…!!!