気まぐれ猫くんの手懐け方
*先日の放課後*
「バカ陽愛」
「あれ、チャンじゃない……?」
「いいから返事しろよバカ」
「は、はい!」
俺は、返事と共に背筋をしゃんと伸ばした陽愛を見て、一度ため息をつく。
「……日曜日、空けといて」
「え、なんで?」
「……わかんないの? バカなの?」
人の緊張返してよ。
この一言あんたに言うためにどんだけ時間かかったと思ってんの。
「またバカって言った!!!」
「どっか行こうって、言ってんの!!」
本当はあの日の帰り道の途中で言おうと思ってたけど。
突然のこと続きで、陽愛がついてこられないと思ったから。