気まぐれ猫くんの手懐け方
「あ、久しぶり」
『んだよ、てめーかよ』
「うわ相変わらず口悪~……」
『さっさと用を言え!』
『ぎゃあああゆづくん!! にんじんの皮向いてたらにんじんが無くなったよ!?』
『ちょ、バカ何して……おい三毛ちょっと待ってろ』
「あ、ゆっくりでいいから……たいしたことないし」
………。
気のせい、じゃない。
電話の向こうから、女の声がした。
「……彼女ができたって、マジだったんだ……」
しかも高校生にして同棲……?
……つよ。
『……ったく、あのバカ……で? 何だって?』
戻ってきたようだ。
……無くなったにんじんは大丈夫だったのだろうか。