気まぐれ猫くんの手懐け方

「あ、久しぶり」

『んだよ、てめーかよ』

「うわ相変わらず口悪~……」

『さっさと用を言え!』

『ぎゃあああゆづくん!! にんじんの皮向いてたらにんじんが無くなったよ!?』

『ちょ、バカ何して……おい三毛ちょっと待ってろ』

「あ、ゆっくりでいいから……たいしたことないし」


………。

気のせい、じゃない。

電話の向こうから、女の声がした。


「……彼女ができたって、マジだったんだ……」


しかも高校生にして同棲……?

……つよ。


『……ったく、あのバカ……で? 何だって?』


戻ってきたようだ。

……無くなったにんじんは大丈夫だったのだろうか。



< 215 / 273 >

この作品をシェア

pagetop