気まぐれ猫くんの手懐け方
体育の時間では、短距離のタイムをそれぞれで測ってリレーの走順を決めることにした。
…けど。
猫くんはやはり『かったるい』と言ってなかなか本気で走ってくれず。
私と玲央くんが困っていたとき。
『あの』と声をかけてきてくれた男子二人。
『猫助のやつ、本気で走ればすげえ早いから、最後のほうにまわしても良いと思う』
『俺たち、アイツと同じ中学校だったからわかるんだ』
という素晴らしい助言をいただいたので。
アンカーを玲央くん、その前に猫くん、その前に私、という走順にしてみた。
ホワイトボードを見てうんとうなずいた私に、先ほどの男子二人が近づいてくる。
『猫助、ああ見えて良い奴だから』
『ただちょっと口悪いだけだから』
必死に猫くんのフォローをしてきたものだから
私は笑って『大丈夫だよ』と返した。