気まぐれ猫くんの手懐け方
俺の為に可愛くなろうとした陽愛。
ならば俺が言うべき言葉はもうコレしかないでしょ。
「かわいい」
「!?!?!?」
ボンッ
陽愛の顔が爆発した。
「ちょ、大丈夫?」
「だ、だいじょうぶ……」
どこから取り出したのだろうか、片手で保冷剤をおでこに当てる陽愛。
「私汗っかきだから、体すぐ冷やせるように持ってきてたんだけど…」
「うん」
「猫くんといると、ずっと熱いままかもしれない……はあ…」
「なにそれ、バカなの?」
保冷剤を持っていない方の手で、顔を覆うようにしている陽愛。
指の間から視線だけを俺の方に向けてくる。
「…頑張って、よかったあ…」
そして汗だくのままそう言って、嬉しそうに笑った。