気まぐれ猫くんの手懐け方

「え、ゲーセンって、ゲームセンター!?」

「うん!」

「マジで言ってるの!? そんなのいくら検索したってどこにも出てこなか……」


あ、まずい。


「検索?」


すかさず陽愛が不思議そうに聞いてくるから、肩にひっさげていたハンドキャッチャーで陽愛の鼻をつまんでやった。


「いひゃい…」

「バカは黙っててよ」

「ひよい……」


ひとつため息をついてから、陽愛の手を取った。


「ほわ!?ね、猫くん!?」


なに、今更照れてんの?


「行くんでしょ、ゲーセン」


仕方ないから、連れてってあげる。

そう付け足せば、陽愛はまた嬉しそうに笑って大きくうなずいた。



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