気まぐれ猫くんの手懐け方

***

練習を続けてから早くも三週間が経った。

本番は明日だ。


美術部の子たちのおかげで素敵な横断幕ができあがるし

愛ダンスの振り付けもみんな完璧。


後は……


「リレーなんだけど……」


私は、目の前で繰り広げられる光景を見てため息をついた。


「だから低いんだよ!もっと高く上げてくれないと取りにくいんだって!」


「あんたがバカデカイのが悪いんだろ、少しは俺に合わせてかがんだら?」


「おー、やってるやってる」


その光景を見た梨乃が、面白そうにくすくす笑った。


体育祭前日の放課後。

どうしてもうまくいかない猫くんから玲央くんへのバトン渡しの練習がグラウンドでされていた。


それを、私と梨乃が眺めている。



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