気まぐれ猫くんの手懐け方

かわいい


「ねえ!梨乃!どうしよう!!」


梨乃の部屋

梨乃のベッドの上で

梨乃のお気に入りのクッションを抱きながら

梨乃へ助けを求める。


「人の家に泣きながら押しかけてきて、理由も言わないバカに対して私は何をどうしたらいいのよっ」


と、ごもっともな反論が返ってくる。

梨乃は、顔に化粧水をしみこませたコットンで、ぽんぽんとお肌のケアをしているところだった。


「あ、あ、明日…実はその、猫くんとデートすることに…なりまして」

「あの猫くんと!? やば!」

「で、でも私、梨乃みたいにかわいい服とか持ってないし、化粧とかもできないし…そもそもオシャレなんてしたことないし…」


そこまで話して、やっと梨乃がこちらを振り返ってくれた。

たっぷりと化粧水をふくんだパックをしている。


……いつの間に。


「あれ?でもあんた、玲央ともデートしたんじゃ…?」

「え?」


玲央くんとデート?

私が?



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