気まぐれ猫くんの手懐け方
両腕の間からカををそっと上げて梨乃を見ると。
「あたしと玲央のこと、協力してくれる?」
「…え、」
そうだった。
梨乃は、玲央くんのことが…。
「もちろん!!そんなの、私でよければいくらでも協力する!!!」
「ん、ありがとう」
梨乃は鏡の前から立ち上がり、クローゼットを空ける。
「うーん、陽愛に似合いそうな服…明日は暑そうだしワンピースでいっか」
「わ、わんぴーす!?!?」
梨乃が取り出したのは、白いロングワンピースだった。
待って、いくら何でも梨乃センス無さすぎる。
私にそんなの似合うわけないでしょ!?
「あとコレに似合うサンダルもそろえて…髪は明日コテで巻くとして、化粧か…」
「予想以上に梨乃がガチすぎてこわい」
「あ、陽愛」
「ハイ」
ワンピースを別のハンガーに掛けて、クローゼットから取り出しながら、梨乃が顔だけをこちらに向ける。