気まぐれ猫くんの手懐け方

「あたしと玲央のこと、協力してって言ったの、あれ嘘だから」

「えええ!?なんで!?協力させてよ!!」


梨乃はぷっと笑って、私の隣に座る。


「ばーか、まずはあんたがゴールしてくれなきゃ困るのよ」

「梨乃……」


ありがとう、と言いかけたとき。

ふと視界に入った。


「梨乃サン、その手に持ってるものはいったい…」

「ん?顔パックに決まってるでしょ?」

「え、無理やったことない怖い無理!!」

「こら逃げるな陽愛!!!」


そうして、私たちは一緒に一晩を過ごした。


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