気まぐれ猫くんの手懐け方
次の日の私のお肌は、自分の肌じゃないようにつるつるで。
梨乃にお化粧もしてもらい、鏡をみて『これが、私…?』とベタなセリフまでつぶやいてしまった。
「つけまつげ、一応つける?」
「え、無理怖い」
「じゃあ、今日はとりあえずアイラインだけ追加ってことで」
なれた手つきで、最後の仕上げをしてくれる梨乃。
アイロンで髪の毛もゆるふわにしてもらった。
いつもは前髪をあげているけど、梨乃に完全否定されたのでやめることにした。
「あれ?陽愛、待ち合わせ時間って何時?」
「えっと、10時」
「ええ!? もう9時50分だよ!?」
「うそ!?」
梨乃の家から駅まで歩いて15分~20分近くかかる。
やばい、遅刻だ…!!
私たちは急いで梨乃の部屋を出て、玄関に向かう。
梨乃が用意してくれていたヒールが高めのサンダルを履く。
「…っ」
梨乃は私よりも身長が低いため、足のサイズも少し小さい。
けど、これくらいなら大丈夫そうだ。