気まぐれ猫くんの手懐け方

「梨乃、変じゃない?」


玄関を出る前に、くるりと回って梨乃に全身チェックをしてもらう。


「うん!今までの陽愛の中で一番陽愛っぽくない!!」

「待ってそれってひどくない!?」

「でもかわいい!!」


梨乃が、私の両肩をつかみ、くるりと向きを変えられる。

それにより、梨乃に背中を向ける形になった。


「だから自信持って、行ってこい陽愛!!」


そのまま、ぽんっと背中をおされる。


「うん、梨乃ありがとう!行ってきます!!」


元気よく玄関を開け、私は急ぎ足で駅へと向かった。



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