気まぐれ猫くんの手懐け方
性格悪すぎ
「まだ落ち込んでるの?」
「うう…」
あのあとバッティングセンターに行った私たち。
ホームランを打つために何度もチャレンジしたけど、結局打てず仕舞いで。
しかも私、玲央くんとここに来た時のことまでつい口を滑らせてしまった。
その時の猫くんの表情が、一瞬にして凍り付いたのも分かった。
「次また来たらいいじゃん。そんなに落ち込むなんてあんたらしくない」
いつも通りな猫くん。
…また、怒るか不機嫌になるかと思ってたけど。
玲央くんとのことには触れずにいてくれる。
気を、つかってくれてるのかな?
「猫くん」
「ん?」
「……ごめんね」
「え?」
猫くんが、やっと私のほうを見てくれた。
けれど今度は、私が猫くんのほうを見れない…。