気まぐれ猫くんの手懐け方

「どうしたの?」


心配そうに私の元へ来てくれた猫くん。

やばい、靴擦れかも知れない。

梨乃の足のサイズは、やっぱり私には合っていなかったようだ。


「なに、靴擦れ?」


猫くんは、私が押さえている手をどけて、そっとサンダルを脱がせてくれた。

かかとや、小指の皮が見事にべろりとめくれてしまっている。


「何で言わなかったの?バカなの?」

「ご、ごめん…」

「ごめんじゃないでしょ、バカ陽愛」


あ、やばい。

猫くん怒ってる。


せっかくのデート、私が台無しにしちゃった…。




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