気まぐれ猫くんの手懐け方
「ほら」
「ぅわ……っ!!!?」
猫くんに腕を引っ張られ、無理矢理立たされたと思ったら。
「いつまでも下向かないでよ、あんたらしくない」
「ね、ねこく…!?」
そのまま軽々とおんぶされてしまった。
「わ、私重い…から…!!」
「あ、自覚してるけどダイエットはしないタイプ?」
「ちょっと猫くん!?」
「あははっ、冗談」
猫くんが少し横を向く。
それによって、前髪の間から猫くんの目が見えて。
私の視線と、栗色のそれがぶつかった。
「頑張ってくれて、ありがとう」
「……っ」
もう
ずるい。
……ずるいよ。