気まぐれ猫くんの手懐け方

「はー……」


大きなため息の後、猫くんはがくっとうなだれる。



「マジ、性格悪すぎ」



私は再び、猫くんを抱きしめるように自分の腕に力をいれた。



「それ、猫くんに言われたくないー」

「はあ?どういう意味?」

「そのままの意味だよーっだ」

「…落とすよ?」

「ごめんなさいっ!」



必死に、猫くんにしがみつけば、猫くんは笑ってまた歩き出した。

途中で思い出したように猫くんが口を開く。


「ってことは」

「ん?」

「もう、陽愛は俺の彼女ってことでいいんだよね?」

「…っ」


さっきまであんなに動揺してたくせに。

もう、いたずらっ子の表情に戻ってる。



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