気まぐれ猫くんの手懐け方

しかも、わざと『彼女』というワードを強調してくるものだから

こっちは恥ずかしくてしょうがない。


「わ、わざわざ言わなくてもいいでしょ…!」

「大事なことだから、確認しておかなきゃ」

「ほんと、性格悪すぎ…」


さっきと立場が逆になってるじゃん。

心の中でそう突っ込んだとき。


「そこも好きなんじゃないの?」


なんて得意げに聞いてくる猫くん。

もう、もう!!


「猫くんのバカ~!!」

「ちょっと、耳元ででっかい声出さないでよ!つんざくから!!!」

「つんざくってなによ!!」


もともと近寄りづらくて、気高いイメージで、この先関わることはないと思ってた人。

偶然話すきっかけがあって、それから色々ともめたりすれ違ったりしたけど。


今やっと、好きなことを言い合えるようになった気がする。


まだやっぱり恥ずかしいけど。




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