気まぐれ猫くんの手懐け方

手懐け方



猫くんのご指導のおかげで、無事に課題を終えた私は、もう一度家へ戻る。

夜の花火大会へ向けて準備をするためだ。


「陽愛、珍しいわね、あんたがこれ着たいなんて」

「お、お母さん……お腹ちょっと苦し…」

「あら、ちょっと太ったんじゃないの?」

「なあっ!!?」


お母さんの協力もあり、無事に支度を済ませた私。


「じゃあ、行ってきまーす」

「あんまり大股で歩いちゃだめよ~!」

「うるさいなあもう!!」


とは言いつつ、余り時間が無いので急いで花火大会の会場へと向かった。


「……」


大丈夫かな、似合ってるかな…。


私は、猫くんとの電話の内容を思い出していた。


『そのかわり』

『………え?』

『今日の花火大会、浴衣着てきてね?♪』



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