気まぐれ猫くんの手懐け方
ピンクの大きなピンは、太陽に照らされてピカピカと輝いている。
華奢な彼の体を、大きめのジャージが包みこんでいて。
その指先まで隠れてしまいそうだ。
…つまりなにが言いたいかというと。
「…っ、萌え袖かわ………!!!」
「はあ?」
つい口に出してしまった私を、さらに不機嫌そうに顔をしかめながら見てくる猫くん。
ごめん!!と全力で頭を下げようとしたとき。
トラックの方から歓声が聞こえてきた。
「あ、800mリレー終わったみたい!!」
「親友のゴールを見届けないとか最低な親友だね」
「や、それは猫くんが…!!!」
あまりにも可愛いお姿での登場だったから!!!
…なんて言えるわけもなく。