気まぐれ猫くんの手懐け方

―――……ずっと、関わることはないと思っていた。



サラサラした綺麗な髪。

長いまつげ。

可愛い顔のその男の子は


私とは正反対の

私よりも女の子みたいな男の子。




『ねえ、バカなの?』


『暑苦しいんだよね』



初めて話した時は、印象最悪で。

……だけど、不意に見せるかわいい一面もあって。



『ひなたぼっこ』


気持ちよさそうな顔して机で寝たり


『好きだよ、デートでもする?』


突然甘い言葉を口にしたかと思えば


『嘘に決まってるじゃん』


悪戯が成功したように面白がって、無邪気に笑ったりして。


『テリトリー荒らされるの、好きじゃないんだよね』


真面目な顔して、かっこいいことを言ってみたり。





そんな、猫のような君に

少しずつ、惹かれていった。


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