気まぐれ猫くんの手懐け方

「陽愛、次は服でも見に行く? オシャレしてみてよ」

「えっ」

「もう少し、色気出してくんないと」

「い、色気……?」


なにそれ、と猫くんを見れば。


「こんな感じで?」


と、自分の鎖骨を露出してくる猫くん。


「!!!?」


声にならない声を上げると、猫くんはまた笑った。



「あっはは!! 免疫なさ過ぎ!!」

「猫くんの意地悪……」



頬を膨らませた私の後頭部に、そっと猫くんの手が伸びてくる。


「好きだよ、陽愛」

「……それも、気まぐれ?」



猫くんは、不敵に笑う。





「一生かけて、確かめてみて」





< 271 / 273 >

この作品をシェア

pagetop