気まぐれ猫くんの手懐け方
「陽愛、次は服でも見に行く? オシャレしてみてよ」
「えっ」
「もう少し、色気出してくんないと」
「い、色気……?」
なにそれ、と猫くんを見れば。
「こんな感じで?」
と、自分の鎖骨を露出してくる猫くん。
「!!!?」
声にならない声を上げると、猫くんはまた笑った。
「あっはは!! 免疫なさ過ぎ!!」
「猫くんの意地悪……」
頬を膨らませた私の後頭部に、そっと猫くんの手が伸びてくる。
「好きだよ、陽愛」
「……それも、気まぐれ?」
猫くんは、不敵に笑う。
「一生かけて、確かめてみて」