気まぐれ猫くんの手懐け方
「おはよう、陽愛!!」
「ふぁ!?」
急に後ろから大きな声をかけられ、飛び跳ねる私。
振り向けば、身長180㎝超えの大男がさわやかな笑顔をこちらに向けていた。
「れ、玲央くん…おはよう」
同じ中学校だった犬田 玲央(いぬだ れお)くんだ。
スポーツはできるけど成績が悪くて、よく梨乃と三人でテスト勉強していたものだ。
「なんだよ、そんなに驚くことないだろ?委員長」
面白おかしそうに言うこいつも『いやほんとこいつマジで男より頼りになるんでいいと思います!!』とか全力で委員長に推薦してきた一人だ。
「誰のせいで委員長やる羽目になったと思ってんの…」
ジト目で玲央くんを睨めば、向こうからはシャイニングスマイルが飛んで来る。
「大丈夫だって!陽愛ならやれると思ったから俺も梨乃も推薦したんだしさ!!」
その力強い腕を肩にまわされる。
「それにもうすぐ、最初のイベント来るじゃん?」
「イベント…?」
「体育祭だよ体育祭!! 燃えるよな!!」
「ほう!それは燃えますな!!」