気まぐれ猫くんの手懐け方
アンカー以外はグラウンド半周。
そのため、私と猫くんは正反対のスタート地点にいた。
猫くんの存在が気になり、どうしても向こう側のスタート地点をちらちらと見てしまう。
そんな自分に気づいては視線を下に落とす、の繰り返しだ。
「挙動不審だけど、大丈夫か…」
「だ、ダイジョウブ」
「じゃないな!?」
私と玲央くんがそんなやりとりをしている中、着々と準備が進められていく。
そして。
「位置について、よーーーーい……」
―――パアンッ!!!
ピストルの音と共に一斉に走り出すスタートメンバー。
赤組は現在3位だ。