気まぐれ猫くんの手懐け方

その子が無事にバトンを渡し終え、次のランナーがこちら側へ向かって必死に走ってくる。


「ご、ごめん玲央くん!!次私だから…!!」

「お、おう」

「アンカー、頑張って!!」


急いでトラックへ入り、私めがけて走って来ている子へエールを送る。


「もう少しだよ!!頑張って!!」


私もそんなに、早いほうではないけれど。


「一人くらい…抜いてみせる!!」


パシッと音を立ててバトンを受け取った瞬間、一気に地を蹴ってスピードを上げる。


目の前にいる子をとらえ、ぐんと加速すれば。


「……っ」


もう少しで越せそうと言うところで次のバトンを渡す瞬間も近づく。


たくさん練習した。

きっと大丈夫!!


「……!?」


しかしそこで待っていたのは。




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