気まぐれ猫くんの手懐け方

「陽愛!!!」

「玲央くん!!!?」


何が何だかわからないまま

伸ばされた玲央くんの手に、私も必死にバトンを伸ばした。


練習なんてしていなかったのに、見事にタイミングはばっちりだった。


「後は任せろ!!」

「!」


玲央くんのスピードで、前二人をとらえる。

現在4位だが、すでに2位を狙える位置まで玲央くんが並んだ。


あっという間にアンカーにバトンが渡されようとして……


「待って、じゃあアンカーは……!!?」


息が切れて苦しいはずなのに

驚きのあまり息をするのも忘れていた。


だって。


だって。



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