気まぐれ猫くんの手懐け方
「行ってこい三毛!!」
「黙って走ってろ犬!」
玲央くんから渡されたバトンは。
「……猫くん…!!?」
なんで!?
なんで猫くんがアンカーなの!?
玲央くんが走っていた時点ですでに並んでいた二人をいとも簡単に追い越し、
さらに猫くんは加速していく。
トップとの距離もみるみる縮まっていき、すでに半周を走りきった。
もう半周…!!
私は急いで、ゴール地点である本部前まで走る。
猫くん、猫くん。
「猫くん……っ!!がんばれ―――っ!!!!!」
苦しくなる胸を押さえて、精一杯彼の名前を叫んだ。