気まぐれ猫くんの手懐け方
***

「えー、今日は各競技に出場する人を決めたいと思います」


自習の時間を使って、体育祭についての話し合いを進める。

もちろん、委員長の私が教卓に立ち、体育祭実行委員の玲央くんが黒板に汚い文字を並べていた。


比較的クラスのみんなも協力的で、スムーズに話し合いは進んでいっていた。


「えーっと、あとは最終種目の全員リレーの滑走順と…」


こればかりはみんなのタイムがわからないと決められない。


「『クラス対抗応援ダンス」の曲と、『横断幕』の作成をしないといけないんですが…」


黒板の汚い文字から、みんなへと視線を移すと。


「ダンスの曲は『愛』でいいんじゃないかな!」

「流行ってたし、みんなきっとだいたい覚えてるもんね!」

「賛成~!!」


っとまあ、こんな感じでぽんぽん意見を出してくれるので

委員長としてはとても助かっています。


「じゃあ、みんな『愛』で大丈夫かな?」

「いいでーす」


まるで小学生のような返事が返ってきて、同時に玲央くんが『クラス対抗応援ダンス』の文字に○をつけた。



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