気まぐれ猫くんの手懐け方
ただでさえわけがわからない状態なんだから。
これ以上、俺のことかき回さないで。
「……ぶっさいくな顔」
「だって嬉しいんだもん!!」
「いやほんともう二度と頑張らない」
「そんなこと言わないでよ猫くん~!!」
口ではなんとでも言える。
いくらでも貶せる。
いくらでも馬鹿にする。
そうしないと、バレてしまいそうだから。
とくんとくんと、今まで感じたことのないあたたかい鼓動が鳴っていることを。
なんでかはまだわからないけれど。
……あんたにだけは、バレたくなかったから。