気まぐれ猫くんの手懐け方

不可抗力


ドキドキしています。

体育祭が終わって、代休を挟んで二日ぶりの学校。

あんなに、体育祭に向けてまっしぐらだったクラスからは、すでにあの雰囲気はなくなっていて。

いつもの平凡な一日が始まろうとしているHR前。


隣で、すやすやと気持ちよさそうに寝ている猫くん。


どきんどきんと鳴る心臓は、なかなか私の言うことを聞いてくれず、未だに大きく鳴り続けていた。


今はこんなに可愛い顔して寝ているのに。

この間の体育祭の時の猫くんは、本当に、本当に、ただひたすらに。


……かっこよかった。


赤組が優勝したことや、

人一倍…いや、それよりもっと練習に不真面目だった彼が一生懸命頑張ってくれたことが本当に嬉しくて。


最後の種目のリレーが終わった後はそれどころじゃなかったけれど。


閉会式が終わって、梨乃と一緒に帰りながら体育祭の話をして。


その時に、なぜか私の口からは猫くんのことしか出てこなくて。

家に帰ってからも猫くんのことがずっと頭に浮かんでいて。



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