気まぐれ猫くんの手懐け方

私は再度猫くんへと視線を戻す。


「?」


猫くんは、頬杖をついて“まだ何か?”とでも言うように首を傾げる。

ああ、可愛い…!!!


って、そうじゃなくて!!


「ね、猫くん…」

「ん?」

「もしかして……見た……!!?」


私は、スカートの裾をぎゅっと握りしめる。


今、間違いなく言った。


“水玉”って言った……!!!!


私の質問に猫くんは。


「………」


視線だけを私からすっと逸らして。

数秒おいてからまた私を見る。


「……何のこと?」


バカにするような……いや、完全にバカにしてフッと鼻で笑った。


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