気まぐれ猫くんの手懐け方

隣からは、めんどくさそうなため息が聞こえてくる。


「や、完全に不可抗力」


そうだけど!!!


「い、言わなくてもいいじゃない!!」


「なにを?」


「パンツの柄!!!!!」


「…………」


「は…っ」



しまった。

何してるの私。


さっきまでがやがやしていた教室が、一気に静まりかえる。


梨乃や玲央くんも、どうしたことかと私を凝視していた。


私をこんなにした当の猫くんは、頬杖をついていた手で口を押さえ、下を向いて声を押し殺して笑っていた。


やばい。

まずい。

恥ずかしすぎて死んじゃう。


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