気まぐれ猫くんの手懐け方
「陽愛、朝からおっきい声出してどうしたのよ~!!!」
しんと静まりかえった空気をぶちこわし、爆笑しながら私の元へ来てくれた梨乃。
そのおかげで、周りのみんなも梨乃につられて笑ってくれ、またいつもの雰囲気に戻る。
「梨乃~!!!」
「陽愛、鼻水!!」
「だって猫くんが!!」
「いや、不可抗、力…」
「まだ笑ってる!!!」
笑いすぎだよ猫くん!!
だいたい誰のせいでこんなことになったと……!!
わなわなと拳を握りしめて猫くんを見れば。
私の視線に気づいた猫くんが、また面白おかしそうに口角を上げて。
「なに?水……」
「猫くんのバカ!!!」
「鼓膜破れる…」