気まぐれ猫くんの手懐け方

私が大声を上げる度にお腹を抱えて、しかも声を出さずに震えながら笑う猫くん。


この人、本気で私をバカにしてる……!!


さっきまでこんな人にドキドキしてた自分がバカみたいだ。


「あー、ウケる」


そう言いながら天井を仰ぐ猫くんの目からは、涙が。


……泣くほど笑われたのか、私。



「………ほんと性格悪い……」


「え?なんて?」


「なっ、なんでもないです!!!」



変に彼を刺激したら、また“水玉”って言われそうで。


思わず姿勢を正して敬語になってしまう。


なにこれ。

どういう状況。


納得いかずに、じとーっと猫くんを睨んでいたときだった。


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