気まぐれ猫くんの手懐け方
そうだ、猫くんにも声をかけてみよう。
最初はきっと断られるかも知れない。
…いや、待て私。
私と猫くんはただいま絶交中なのだ。
猫くんなんて絶対誘ってやんない!!
……子供だなあ私。
そこまで思って、教室に向かう自分の足が止まっていることにやっと気づいた。
否、進めないのだ。
「ん?」
見れば、私の腕が玲央くんによって捕まれていた。
「待て待て陽愛」
「どうしたの?」
「その…2人で、行かねえ?」
「え?」
私は目を見開いて、そしてぱちぱちと何度も瞬きを繰り返す。