気まぐれ猫くんの手懐け方
私と玲央くんとの会話は聞かれていなかったみたいだからよかったけど。
もしこのことが玲央くんファンにバレたら、私きっといじめられるなあ。
「別に私と玲央くんは、そういう関係じゃないのに」
教室へ足を進める。
私の席の隣にいる彼は、また机に突っ伏して眠ってしまっていた。
「……ふう」
席について、ひとつ息を吐いた。
そうだよ。
別に私と玲央くんは、ただ中学が一緒だっただけで。
玲央くんに対して何か特別な感情があるわけじゃないし、私たちはただの友達だし。