気まぐれ猫くんの手懐け方
―――がらり。
教室のドアが勢いよく開けられる。
「席に着けー」
先生の声と共にちょうど予鈴も鳴り、立ち話していた生徒たちは急いで席につく。
猫くんも、いつのまに起きたのか、頬杖をついて黒板をぼーっと見つめていた。
「……」
玲央くんと遊びに行く、かあ…。
何着ていこうかな。
私服……帰ったらいろいろタンスの中あさってみよう。
そして、いつも通りの流れでHRが始まり、日常が動き出す。
ただ私の気持ちだけはいつも通りなんかじゃなくて。
―――変化している。
何かが、
少しずつ。