気まぐれ猫くんの手懐け方
「……?」
「!」
さすがに私の視線を感じ取ったのか、綺麗な茶色い瞳が私を見た。
初めて目が合ったのと
色々彼について想像していたのが相まって
私は慌てて彼の名を呼んだ。
「ご、ごめん!ねね、猫くんは絵とか描けるのかなって…!!!」
引きつった笑顔でそう言うと。
彼の表情はみるみるうちに曇っていく。
え!?
なんでそんなに不機嫌そうな顔を…!!!?
「…バカなの?」
「へ…?」
そして初めて聞いた彼の声は。
意外と低く、落ち着いたものだった。