気まぐれ猫くんの手懐け方

また、行くか


「陽愛……」

「うん?」


やってきました日曜日。

待ち合わせ場所で、玲央くんは私を見てなぜか固まっていた。


や、やっぱりおかしかったかな。


「お前…マジ?」

「え、うん…色々悩んだんだけど、出かけるときはいつもこの格好だから、慣れた服の方がいいかなと……」

「だからって、男と2人で出かけるのに…ジャージ着てくるか……!?」


玲央くんは片手で顔を押さえて下を向いてしまった。


「…まさかとは思うが、他に私服は…」


私は手を頭の後ろに回して軽く頭を掻いてにへらっと笑う。


「タンスの中、ほぼジャージでした!」


「まじかよ陽愛…それ女としてやべーぞ」


「ええ!!?」


「まじまじ。俺じゃなかったらマジ幻滅されてるって」


「うおおおお、ありがとう玲央くんでいてくれて!」


「いや、どういう意味だよ」


< 80 / 273 >

この作品をシェア

pagetop