気まぐれ猫くんの手懐け方
玲央くんは、顔を押さえていた手をそのまま頭の後ろに回すようにして笑う。
「っま、そういうとこもかわいいと思っちまう俺も俺だけどな!」
「かわ…っ!!?」
突然聞き慣れない言葉が玲央くんの口から大砲のように飛んできたものだから。
私の顔は真っ赤に染まった。
玲央くんは、白いTシャツの上に明るい茶色のシャツを羽織り。
長い足によく合う細めのダメージジーンズをはいている。
かたや私は、白いポロシャツにオレンジのラインが入ったブーマのジャージをはいていた。
なにこの格差。
「ま、服装はいいとして。どこ行く?陽愛」
「あ、私、図書館に行きたい!!」
「図書館んんん!!?」
あ、やっぱり無理かな!?
「つ、つまんない…よね…!!?」
あああ、やっぱり梨乃に相談して入念なプランを立てるべきだった…!?
いやでも、玲央くんと遊ぶってなにして遊ぶの!?
「まあ、図書館もいいけどさ」
「……?」
「もっと、いいとこ行こうぜ!」