気まぐれ猫くんの手懐け方

「ちょ、玲央くんほんとそういうのずるい!!」


「いやいや、手加減なんてするわけねーだろ?」


「いやでもほんとずるい!!見えない!!」


「陽愛、必死すぎて爆笑…!!」


「だって勝ちたいし!!!」


いや、ジャージで来てよかったよ。

全力で動けるし。

それになにより楽しいし。

私は時間を忘れて、玲央くんと卓球したり、バドをしたり、バスケをしたりと。

日頃の鬱憤を吹き飛ばすかのようにスポーツを思う存楽しんだ。


「ふう…じゃあそろそろ帰るか」


「え、もうここ出るの…?」


「さすがに夕方だしなあ」


「本当だ、時間経つの早いね~…」


なんだ、もうおしまいかあ。

かなり楽しかったから、少し寂しい。


「陽愛」


「ん?」


「もう一カ所、寄るか?」


私の気持ちを察してくれたのか、玲央くんが笑顔でそう言ってくれて。


「うん!!!行く!!」


私も全力でうなずいた。



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