気まぐれ猫くんの手懐け方
***

着いた場所は。


―――カアンッ


「すごい玲央くん!!やっぱり野球部だけあってうまい!!」


「こんなの慣れだって!陽愛もやってみ?」


私は玲央くんに、自分に合ったバットを選んでもらい、バッターボックスに立つ。

なにげにバッティングセンターなんて初めてで、勝手がわからない。


「ひょあ!!!」


びゅんと飛んできたボールが速すぎて、目をつぶってバットを振り回す。


「ははっ、ボールよく見ろー、腰もっとおとせー」

「はい!!!せやあっ!!」


無我夢中でバットを振り回すも、かすりもしない…。

一本くらい気持ちよく当てたいものだ。

隣では、百発百中で気持ちよさそうにぽこぽこボールを打ち返している玲央くん。

……純粋に悔しい。


「そろそろいい時間だし、帰るか」


「やだ!!」


「は?」


「ホームラン打つまでやる!!」


「マジ!?」



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