気まぐれ猫くんの手懐け方
***

「そんなに落ち込むなよ」


「悔しい~……」


結局、ホームランはおろか、かすりもしなかった。


「……また、行くか」

「ぜひ!!!今度こそホームラン打つから!!!」

「ははっ、そのためにはまずは筋トレからだな」

「ううう、」


楽しい時間はあっという間で。

玲央くんが、私の家まで送ると言ってくれたので、お言葉に甘えて一緒に帰っています。


一緒に並んで歩けば、改めてわかる玲央くんの身長の大きさ。

隣に視線をうつせば、玲央くんの肩が見る。

そこからさらに顔を上げなければ、玲央くんの顔は見ることができなかった。


「…あ」


玲央くんの首筋には、まだ引いていない汗が。

このままだと風邪引いちゃう。



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