気まぐれ猫くんの手懐け方
俺にはないけど
「おはよう陽愛~!」
「梨乃、おはよう」
いつものように、校門で梨乃が待っていてくれていた。
昨日は久しぶりにぐっすり眠れた。
たくさん玲央くんとスポーツして遊んで、適度な疲れが心地よかった。
「なんか、いいことあった?」
今日もばっちりメイクの梨乃が、ずいっと私の顔をのぞき込んでくる。
「え?いや、特にコレと言ってないけど…?」
「や、なんか珍しくすっきりしたような表情してる!」
「えええ、いつももやもやしてる人みたいに言わないでよ梨乃」
そんなやりとりをしながら教室まで歩いている私たち。
「おっはよ~!!」
梨乃が教室のドアを開けて元気よく挨拶をして入って行く。
それに続いて私も教室に入り、自分の席に着く。
「……」
いつものように、すやすやと眠っている猫くん。