気まぐれ猫くんの手懐け方

「あのさ」

「うん?」

「どういうこと?」

「え?」

「あいつとどっか行ったの?」

「うん…って、え?」


いつのまに起きていたのだろう。

猫くんが、顔をこちらに向けて、まだ眠たそうな顔で私を見ていた。


「ふーーーん」

「な、なに……?」


無表情な猫くん。

それが逆にこわい。


「どこまでいったわけ」

「えっと……バッティングセンターまで……?」

「………」


今までになく、というか、初めて感じる異様な雰囲気。

私は思わず固唾を飲んだ。


なんだ?

なにこの私が怒られているような雰囲気は。



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