気まぐれ猫くんの手懐け方

「なんでこんなことするの…!!?」

「ちょーーーっと困らせてみたくなった」

「ちょーーーっとのレベルじゃないよね!?悪質ないじめだよね!?」


私がそう言うと、猫くんは何かを考えるように、手を自分の顎へ当てる。


「……じゃあ、こういうのは?」

「へ?」


猫くんの手が肩に当てられ、気づけば猫くんの顔がすぐ近くに寄せられていて。

息がかかるくらいに近くに来たと思ったときには、彼の唇が私の耳に触れそうな距離だった。


「すきだよ」

「っ!!!?」


ザッと猫くんから距離を取る。


いいいい、今なんて…!!?


なんて、言った……!!?


「あ、…え、え……!!?」


動揺を隠せずにいると、猫くんは急に下を向いてしまう。



< 96 / 273 >

この作品をシェア

pagetop