赤色の夕日【短】
「言わなきゃいけないこと?」

「先輩が小さい頃に会ったゆゆのちゃん。あれはきっと私のこと。」

抱きしめられた腕のなかでそう言った。

「え?ほんとに?」

驚いた先輩は抱きしめるのをやめて私の顔をみてきた。


「うん。」


この時に、ずっと抱きしめられていたかったと思ったのはいけなかったかな。

先輩の腕のなかにずっとずっといたいと思った。

この気持ちって、きっと先輩が好きってことだよね。


「明日の夕日は綺麗かな。」


そう言ったら、


「きっと赤いよ。綺麗だよ。」



って返してくれた。
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