メモリーズ

週末である金曜日。


大きなプロジェクトのメンバーに選ばれてから初めての会議が開かれた。


「この度はご協力、ありがとうございます。このプロジェクトのリーダーを務めさせていただきます、企画部の渡部です。今回はチームワークが肝になってくると思いますので…まずは自己紹介でもしましょうか」


そう爽やかに笑いながら言う渡部さんに、メンバーの緊張も少し和らいだ。


五人の自己紹介が終わり、最後の一人が立ち上がろうとする前に渡部さんが一言挟む。


「えっと、今回の企画を考えたのは俺じゃなくて、この永瀬だ」


すると唐突に話されて恥ずかしいのか、永瀬さんは若干顔を赤くして「マーケの永瀬です」と、短い挨拶をした。

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