メモリーズ
「では少しだけ。現在日本に住んでいる外国人は約230万人。そのほとんどが日本語がちゃんと話せない、読めなくて不自由していると考えられます。それに在日外国人がターゲットだと出身国が大体絞れて効率がいい…」


まるで原稿を用意していたかのように、スラスラと確実に企画の主旨を述べていく永瀬さん。


私もいつかこの人みたいに立派になれる日が来るのだろうか。


「んじゃ、今日はこの辺にして終わるか。次回はまた後日連絡するようにします。それじゃあ時間があれば景気付けに皆で飲みに行きませんか！」


渡部さんのその一声で、メンバー皆で飲みに行くことになった。



「あの！東條さん、この度はよろしくお願いします！」


居酒屋に着いて、たまたま隣になった東條さんに声を掛ける。


「こちらこそよろしくね！えっと…沙和ちゃんだったよね？」


そうして優しく話してくれる東條さんは子持ちのベテランで、話を聞けば、私がいる海外事業部の部長と渡部さんとは同期らしい。
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表紙・目次

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